中学受験の準備をいつからスタートするべきか、そんなトピックをしばしば目にします。その延長で、低学年から模試を受けるべきかどうか、という議論も目にします。しかし、早い段階から実力を把握し、適切な対策を講じることは、以降の学習にとって非常に重要です。

この記事では、低学年から模試を受けるメリットをご紹介します。

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まず、近年の各学習塾によるテストの開始学年を見てみましょう。

早稲アカ：年長（チャレンジテスト）
四谷大塚：小一（リトルスクールオープンテスト）
日能研：小二の一学期→小一の三学期に変更

年長なんて、学力が確かめられるかどうか、その時次第ですよね。

早稲アカや四谷大塚は各入塾の登竜門的な位置づけでテストを行っておりますが、日能研ではそうでないにもかかわらずテスト開始時期が早まりました。これは、中学入試の準備がより一層早まっている現象を象徴していると言えるでしょう。

まだ早い、という意見はその通りだと思います。一方、低学年のうちから模試を受けることには多くのメリットも考えられます。現在では、中学受験や高校受験の準備が重要なステップとされており、早い段階からの準備は子どもの学力向上や学習習慣の確立に繋がります。

早期の学力診断と学習計画の策定

学力の現状把握

低学年のうちから模試を受けることで、子どもの学力を客観的に把握することができます。模試は、学校の成績とは異なり、広範な範囲から出題されるため、苦手分野や得意分野が明確になります。これにより、子どもの強みを伸ばし、弱点を補強するための具体的な学習計画を立てることが可能になります。

学習の方向性の明確化

早期の学力診断により、子どもがどの教科で特に力を入れるべきかが分かります。単なる得点率だけでなく、個別の問題における弱点や課題を発見することが可能です。例えば、国語の理解力が不足している場合は、読書や語彙力強化の時間を増やすなど、具体的な対応策を取ることができます。これらの課題を早期に発見し、克服することで、より効率的な学習を進めることができます。このような対策は、長期的に見て学習効率を高めるだけでなく、学習意欲を保つ上でも非常に有効です。

・テストの結果を鵜呑みにすること
・間違いに固執すること

特に小学低学年は、気分でテストの結果が変わります。普段出来ている問題が出来なかった、ミスが多かった、など通常運転だと思い（案外難しいですが）、次回に繋げましょう。

学習習慣の確立とモチベーションの向上

定期的な学習の習慣化

模試のスケジュールに合わせて勉強することで、定期的な学習習慣が身につきます。低学年のうちにこのような習慣を形成することは、将来的な学習に対する姿勢や取り組み方に大きな影響を与えます。毎日少しずつでも、勉強することで無理なく知識を積み重ねていくことができ、学習の質が向上します。

成果の可視化とモチベーションの向上

模試を通じて学習の成果が目に見える形で表れると、子どもは自分の成長を実感しやすくなります。これにより、学習に対するモチベーションが高まります。特に、テストで良い結果を出すことで達成感を得ることができ、それが次の学習への意欲を促進します。

また、模試は、他の生徒と自分の学力を比較する機会でもあります。これにより、子どもは健全な競争心を養うことができます。競争心は、自己成長のための強い原動力となり、向上心を持って学習に取り組む態度を育てます。

・仮に成績が下がった時、明確に示してしまう
・必要以上に他者と比較する
・たらればでモノを語る

「ここが出来れば〇点だったのに」など間違えたことを悪だという印象を植え付けるような物言いにならないよう要注意です。間違えても何にも問題はなく、むしろ伸びしろですよね。満点でないことをプラスに捉え、「まだこんなにも伸びるんだ」という方向での可視化が効果的ではないかと考えます。

特に、「同じレベルの子は皆出来てるんじゃないか」「○○だったら出来るはずなのに」など他との比較により自らを下げてしまうような発言は禁物です。自信がなくなったり、どうせ自分は出来ない、のように自己肯定感を下げてしまう恐れがあります。他人との比較でも、プラスに作用をするような比較に出来るといいですね。

試験対策のスキルと精神的な準備

試験慣れの促進

模試は、実際の試験と同様の形式で行われるため、低学年から経験を積むことで、子どもは試験に対する慣れを養うことができます。これにより、試験本番での緊張感を軽減し、冷静に問題に取り組むことができるようになります。また、試験時間の配分や問題解決の戦略など、試験に必要なスキルも自然と身につきます。

精神的なタフネスの育成

試験は、時間内に問題を解決するというプレッシャーがかかる場面でもあります。低学年から模試を経験することで、子どもはこのようなプレッシャーに対処する方法を学びます。これは、将来の大きな試験やストレスの多い状況においても、冷静さを保ち、効果的に対処する能力を育む助けとなります。

・過度な負担をかける
・必要以上に過密なスケジュールを組む

親の言いなりになってとりあえずテストを受ける状態は注意が必要ですね。意思を確認し、強制力が働かないようにすることで、テストを受けることがプラスに作用するでしょう。動機はより自然に起こるもので、自らの挑戦として模試を受験するのが、子どもにとって健全な姿ではないでしょうか。

親の言いなりになる状態で意思がない状態であれば、休憩するのも一つの選択肢でしょう。

まとめ

低学年から模試を受けることには、多くのメリットがあり、子どもの学力向上や学習習慣の確立に大きく寄与します。早期の学力診断、学習計画の策定、モチベーションの向上、試験対策スキルの習得、家庭と学校の連携、競争心のバランスなど、多くの面で子どもの成長をサポートします。これらの要素は、子どもの将来の学びにとって重要な基盤を築くものです。

低学年のうちから模試を受けることの重要性を理解し、積極的に取り入れていくことで、子どもの可能性を最大限に引き出すことができるでしょう。これからの教育において、このような早期の準備と経験がますます求められていくことは間違いありません。